ろうきん森の学校コシヒカリ②

8月入ってすぐに、コシヒカリの穂が出てきました!葉っぱの間から顔を出した穂には、白いおしべがのぞいていて、「花が咲いている」状態です。

ちょっとわかりにくいけど白いおしべ見えますか?(8月3日)

8月下旬には穂も大きく伸びてきています。

穂が出そろってきた(8月22日)
まだ青々としていますが、これから・これから!

平野部では品種によっては黄金色の田んぼもちらほら見られ、9月に入ると本格的な稲刈りシーズン突入です。今年の稲はどれも生長がよく背高なので、台風などの雨風で倒れなければいいのですが・・・これからの実り具合はお天気にお任せします!

 

真夏の青田刈り

「青田刈りの時はいつも暑いね~!!」が合い言葉。今年も青ワラ収穫のための青田刈りを実施しました。多少イナゴに喰われているけど、と思っていたら、田んぼに足を踏み入れたとたんに、イナゴの大群がぶわっと飛び立ちます。

イナゴがびっしり!見えますか?

気を取り直して、いざ青田刈り開始です。今回はゴゼンモチという稲と古代米の稲の2種類を刈りました。どちらも青々とよく伸びて、いい青ワラになりそうです。

ゴゼンモチの収穫
古代米の収穫

刈った青ワラは大束にして棚田の下の道まで運びます。穂が付いていないので軽い稲ではあるのですが、棚田の坂を何往復もするのは重労働です。中にはロープで背負子(しょいこ)を作って一気運びする人も!

とても暑い日だったので、朝6時半から作業を始めましたが、それでもこまめな休憩が必要です。今年は田んぼの近くに簡易日よけを設置し、休憩所を作りました。

風が通ると気持ちいい!

やっと稲を運び終え、みんなで記念撮影です。

この青ワラはこの日のうちに乾燥機に入れられて、およそ丸1日乾燥させました。仕上がりは上々!ぱりっと香ばしい香りの青ワラになりました。12月には、この青ワラを使ったリース作りやしめ縄作りを行います。お楽しみに!

 

 

バケツ稲に挑戦中!

ときどき小学校の学習で育てているのを見かける「バケツ稲」。今まで育てたことはなかったのですが、このコロナ禍で棚田に来たくても来られない方が「バケツ稲を都会でやってみたい!」とのことで、今年はスタッフが自宅でお試し栽培をやってみました。

まずは棚田の土をバケツに詰めるところからはじめました。そこへコシヒカリの苗4本を1束にして植えます。今回はお試しなので、1束4本しか植えなかったバケツと、2束・8本、3束・12本の合計3つのバケツを用意しました。

5月26日 田植え
奥が1束、手前右が2束、左が3束です

1ヶ月後、しっかり根付き、大きくなりましたが、雑草も生えてきたので草取りをしました。

6月21日 草取り
草取り後。上から見るとまだ水面が見える

さらに20日後、もう水面が見えなくなるくらい伸びてきました。まだ3つのバケツの稲に成長の差は見られません。3束植えたバケツが、ちょっと混み合って見えます。梅雨ということもあり、ここまでは全く水やりをしていません。天水だけで成長してきました。

7月10日 順調に大きくなっている
7月10日 横からみるとこんな感じ

ところが7月12日、よくよく見ると稲の一部が根元から黄色くなって枯れているように見えました。それどころか、触ってみると茎がとろけて腐っている!ぽっきり折れてしまいました。。。

7月12日 茎の一部が黄色くなって折れちゃった!

慌てて知り合いに聞いてみたところ、「稲が順調に分けつ(茎が太って枝分かれすること)したけど、それ以上分けつすると栄養が足りなくなるから、自分で本数を調節している状態」とのこと。「 穂肥(ほごえ=穂のもみを充実させるための肥料)をしたほうがいい」とのことで、バケツ1つに小さじ1杯くらいの肥料をまきました。

7月14日 穂肥をまく

今年は梅雨明けが早く、上越でも7月半ばには梅雨が明けてしまい、それからは毎日水やりをして土が干からびないように注意しました。穂肥をしてからは、それ以上稲が枯れることもなく、ぐんぐん伸びていきました。良かった。。。

そして暑さが続いた8月初旬、2束植えたバケツの稲に、最初に穂がつきました!おしべが顔を出し、花が咲いている状態です。続いて1束のバケツ、3束のバケツも出穂しました。

8月4日 出穂(しゅっすい)確認!
8月4日 この頃になると、3束の植えたバケツ稲はちょっと背が低く見える。2束のバケツ稲が一番元気がよさそう。

厳しい暑さから一転、お盆頃からずっと雨が降り続き、稲はどうなったか心配でした。のぞいてみると、穂はたくさん出てきましたが、一部茶色くなっていたり、虫食いの穴があったり!そういえば、穂肥はしたけど防虫剤や殺虫剤は何もしていません。水田でも稲が混み合っていたりすると虫がついたりするそうなので、仕方のないことかな。ちょっと様子を見ながら、穂が垂れるのを楽しみにしています!(続く)

8月16日 中央に虫食いの痕が見える。茶色い籾もちらほら。
8月16日 こんなに大きく生長しました!

ちょいワラ体験会6月・7月

6月のちょいワラは、わらと同じ「編む」つながりで、「ニンニクブレード」を作りました。ブレードとは「三つ編み」のことで、収穫したニンニクの茎の部分を三つ編みにしたものです。保存はもちろん、飾りにもなります。スタッフ自家製のにんにくは、今年は大玉で存在感抜群!見た目と香りが楽しめますね。

7月のちょいワラ体験会はちょっと思考を変えて苔玉(こけだま)とわらのコラボレーションに挑戦しました。苔玉は植物の根っこ部分を苔で包んで仕上げる「ミニ盆栽」のようなものです。会場の周囲には、材料となるシダ植物や苔がたくさんあり、それぞれの好みの形に仕上げました。そのままお皿にのせてもかわいいのですが、せっかくのちょいワラ部会ですから、「水切り台を縄で作ったらいいのでは!?」ということになりました。せっせと縄をなって、小さなリースの輪を作り、苔玉台の完成です。涼しげな苔玉を手に、「暑い夏も乗り越えられそうだね!」とにっこりです。

先月からスタートしたフカグツ作りはなかなか進みませんが、講師の和瀬田さんが足の甲の部分「ガメ」を編んで見本を見せてくれました。「私もフカグツを作ってみたい!」という新たな挑戦者も加わり、来月以降はフカグツ完成を目指して頑張ります!

 

元気もりもり・もりっちクラブ②③

ご報告が遅くなりましたが、2回目・6月のもりっちクラブはお天気にも恵まれ、「草刈りちょいボラ」からスタートしました。ササユリの丘やもりもりデッキをきれいに草刈りをして、子どもたちは集めた草を協力して運びました。

水生昆虫観察ではモリアオガエルの卵塊やアカハライモリなど、普段目にすることのない生き物に興味津々です。

お楽しみクッキングは「ねじりパン」に挑戦しました。棒にぐるぐる巻いた生地を、男性陣が熾してくれた炭火でじっくり焼きます。「焦げちゃった!」「チョコチップが最高!」と、テントの下で賑やかな声が飛び交っていました。

3回目・7月のもりっちクラブはあいにくのお天気でしたが、午前中のプログラム・苔玉作りでは、管理棟の周りを歩きながら好きな植物を探して掘るところからスタートしました。シダだけでなく、フキやネムノキなど、種類もたくさん。森のつるでミニリースを編んで土台を作りました。

「雨の日は外で遊べなくてかわいそうだね」ということで、講師と森のスタッフが管理棟内にブランコと上りロープを設置してくれました。子どもたちは管理棟に入るなり目が釘付け。活動中も合間を見ては、仲良くブランコで遊んでいました。「これがあったら、楽しめそう!」というアイディアを形にしていくのが「もりっちクラブ」の醍醐味です。このブランコは市民の森管理棟に常設してありますので、大人も子どももぜひお楽しみください!

 

夏のふるさと探検

7月下旬に毎年恒例の「夏のふるさと探検」を行いました。2日間で29名の子どもたちが参加し、元気に活動を行いました。今年ははじめて行ったのが「森のどきどきウオークラリー」です。5名1グループになって、市民の森管理棟周辺にある6つのチェックポイントを回ります。そこにはこんな課題が、、、

①木を輪切りにする(後でストラップを作る)
②ハンモックに一人10回ゆられる
③竹けん玉をする。グループで5回入ったらクリア!
④グループで葉っぱを10枚、木の実を3個集める
⑤まつぼっくり玉入れに挑戦!どのグループがたくさん入るかな?
⑥材木池の伝説を読んで、記念撮影!

クイズラリーとは異なり、チェックポイントにはグループのみんなで協力して行う課題がかいてあります。木を切るときには押さえてあげる、ハンモックをゆらしてあげる、みんなで葉っぱを集める、竹けん玉はできない子にできる子が教えてあげる、など。たった1時間ほどのウオークラリーから帰ってきた子どもたちは、朝はじめて会ったとは思えないくらい仲良しになっています。

それを物語るように、昼休みには誰ともなく声を上げ、「みんな~!鬼ごっこしよう!」と元気いっぱい。「暑いからゆっくり休んで!」との大人の心配をよそに、汗だくになって走り回っていました。

午後のお楽しみは、森遊びと昆虫採集、水生昆虫観察です。市民の森の遊び場の一番人気はやっぱり木登り。すいすい上まで上る子も、そろりそろりと進む子も、ちょっと高いところから見る景色は格別です。「ゆらしちゃうぞ~」と怖がらせる大人も、童心に返ってとても楽しいです。

今回は、前日に仕掛けておいたバナナトラップにたくさんのカブトムシが入っていました。市街ではあまり見かけなくなったので、子どもたちも興味津々です。「触ってもいい?」「どうやって持つの?」とスタッフに聞いていました。他にも、トンボやチョウを追いかけたり、バッタを手づかみしたり。草むらで網を振り回す姿は、なんだか懐かしくもあります。

水生昆虫は管理棟前の池でたくさん採取できました。アカハライモリの幼生やコオイムシ、オタマジャクシにトンボのヤゴなど、一網に泥と混じってたくさんの昆虫が入ってきます。普段は目にすることの少ない水生昆虫に子どもたちも釘付けです。管理棟でスケッチしたり、図鑑と見比べたり、こちらはゆったりとした時間を過ごしました。

最後のお楽しみは、お買い物と自由時間。子どもたちは朝から500円のお小遣いの使い道を考えていて、お友達と相談しています(笑)。ここで買えるモノは「くわどりを思い出す」品々です。地元の方のお野菜は、「お母さんへのお土産にするんだ」という子が多く、微笑ましいですね。木の輪切りに動物や植物の消しゴムスタンプを押したり、木のひも組ストラップを作ったりして、「自前のお土産づくり」を楽しむ子も。時には、「お金が足りなくなっちゃったから、おまけして!」なんて子も。いやいや、それも大事なコミュニケーション能力ですね。お昼休みにたっぷり遊んでも、まだまだ元気な子どもたち。時間を惜しむように、駆けずり回って遊んでいました。

20年近く続けている「夏のふるさと探検」ですが、毎年、少しずつ内容を変え、リピーターさんにも楽しんでもらえるようにしています。その中で、当初から変わらないコンセプトが「子どもたちの自主性・自立性を高める」こと。今回も大人やボランティアは極力見守り役に徹し、子どもたちが作り上げていく関係性を大切にしました。「また来年くるね!」と元気に手を振ってくれた子どもたちの笑顔に、暑さも疲れも吹き飛んだ2日間でした。

ろうきん森の学校のコシヒカリと青田刈りの稲

5月に新潟ろうきんの有志の皆さんに田植えをしていただいたコシヒカリは、ぐんぐん大きくなっています。5月からの写真を並べてみると一目瞭然!稲の生長はこんなにも早いのか、とびっくりです。

5月下旬 田植え後10日くらい
6月下旬 梅雨真っ盛り
7月中旬 早くも梅雨明け。株も大きくなった。
7月末 もう看板を追い越した!

5月には、コシヒカリだけでなく、青わら用の稲も一緒に田植えをしてもらいました。そちらはお米ではなく長くて青い葉っぱがほしいので、硫安という栄養を何回かまいて、生長を促しています。6月、7月の草取りは大変でしたが、8月上旬にはもう青田刈り。真夏の稲刈りということで重労働ですが、この青わらを乾燥させると、とてもいい香りがして、しめ縄やわら細工には欠かせない材料になります。今年は7月中旬頃からイナゴが大発生していて、青わらもかじられてしまったのですが、「たくさんのわらを育ててくれた田んぼの仲間だから、ちょっとくらいお裾分けだよ」と思って眺めています。

7月末の青わら。青田刈りの頃には120cmくらいの背丈になります。
イナゴにかじられた葉っぱ。田んぼに近づくと、ぶわっとイナゴが飛び立ちます。

 

棚田学校~田んぼの草取り・あぜ刈り~

5月に苗を植えた田んぼは水鏡が美しく、青い空を映し出していましたが、6月に入ると稲以外の雑草がはびこってきます。6月・7月は、もっぱら田んぼの中の草取りと畦の草刈りに追われます。

6月の棚田学校では草取り講習が行われました。田んぼの雑草の種類によっては、取ったら畦に捨てるもの、埋めていいもの、さまざまです。埋めてしまうことで田んぼの栄養になるそうです。稲とそっくりな雑草もあって、「稲との区別の仕方を教えて!」と講師にお願いすることも。雑草と稲を並べて見比べながら、見分け方を教わりました。

その後、早速田んぼに入って草取り開始です。まず講師がデモンストレーションをしてくれました。両手で稲の根元を優しくかき混ぜながら雑草を絡め取り、土に埋めていきます。田んぼの土をかき回すことも稲の生長に良いのだとか。地元のおかあちゃんたちは一株一株丁寧に、かつ手早く作業を進めます。

「よ~し、私たちも!」と棚田学校のメンバーも勇んで田んぼに入りましたが、初心者にはなかなか難しい作業のようで遅々として進みません。中腰の作業でへこたれることもしばしば。そんなときは、腰を伸ばして遠くを臨んで爽やかな風に身を任せます。苦労しながらも草取りをやり終えたときの充実感は格別!みんなで記念撮影です!

7月の棚田学校での草取り・あぜ刈り作業は炎天下でした。酷暑とも言われる暑さの中、皆さんがんばっていましたが、田んぼには日陰がありません。「休憩所が近くにあったらなぁ」ということで、上の方の棚田に日差しよけを設置しました。小さな子どもたちは、お休み処に大喜びでした。展望台でのお昼もお楽しみの一つ。頑張ってキレイにした自分たちの田んぼを眺めながらの昼食は格別ですね。

5月の田植えから、7月末まで、稲はぐんぐん大きくなっています。8月に入ると稲の穂が出てきます。棚田の風景は稲の生長とともに少しずつ、確実に、ダイナミックに変化していきます。

6月中旬
6月下旬
7月中旬
7月下旬

8月の棚田学校は、9月の稲刈りに向けて、ハサ(刈った稲を干すための場所)の準備を行います。まだまだ暑さが続きますが、稲の生長に負けないよう立派なハサを組みたいと思います!