12月に入ると商店にはいろいろな大きさや形のしめ縄が並びます。「良い新年となるように願いを込めて、自分たちで手作りできたらうれしいね」ということで、ちょいワラ部会では毎年、しめ縄作り体験会を行っています。おかげさまで今年もたくさんの方々のご参加をいただき、賑やかな体験会となりました。
しめ縄用のワラは、中ノ俣角間の田んぼで育てた古代米で、八月初旬に青田刈りをして機械で乾燥させたものです。長くて青々としたワラは、香ばしい良い香りがします。
そのワラをすぐって(ワラの余分な部分を取って)、三つのワラ束を作ります。この三つのワラ束が絡まって、一本のしめ縄になるのですが、この地域で一般的なしめ縄は真ん中が太くなっているので、束の一つ一つに「アンコ」という詰め物をします。そしていよいよ、三束の端を一つに縛り、そのうちの二本をそれぞれねじりながら絡めていきます。三人一組で作業するのですが、「ねじり方が逆だよ!」「アンコがはみ出した!」と、あちこちで悲鳴やら笑い声やらが飛び交います。最後の一本を最初に締めた二本にねじりながら絡めたら出来上がりです。三人で声を掛け合い、タイミングを合わせ、綱引きのような力加減できゅっと締め上がったしめ縄を眺めていると、気持ちも引き締まります。
体験会で作るのは二尺から二・五尺くらいの大きさですが、講師の和瀬田仙二さんはワラを足して四尺もあるしめ縄を作っていました。ワラより長いスゲで作ることもあるそうですが、「スゲは葉がギザギザで、気をつけないと手を切っちゃうんだ」とのこと。スゲはワラよりちょっと硬い感じがします。
しめ縄は、生きる力や幸せを授けてくださる年神様をお迎えするために飾るものです。一年中飾られているのにあまりじっくり見ることはないと思いますが、いつも私たちの暮らしをそっと見守ってくれているように思います。新たな年を手作りのしめ縄でスタートできる、素朴ながらそれこそが大きな幸せだと感じています。